Kanakaris

Kanakaris

ディミトリスとエヴァンゲロス親子がアテネ郊外アッティカ地方に拓いたこのワイナリーはその一族、アンゲロウ家の名前を冠している。温暖な気候が続くギリシャ、その中でもエーゲ海にほど近いところに位置するカナカリスワイナリーは、戦間期の1932年に産声をあげた。
ワイン名産地としてのアッティカ地方は古代ギリシャ、都市国家アテナイへの供給地としてその名を轟かせた。伝統の味わいを今に伝える地場品種ぶどうは現代にいたるまで高い評価を受け続けている。

コルクがワインボトルに使われるより前の時代、古代ギリシャの人々は松脂で封をする方法を編み出した。恵まれた自然に囲まれた東バルカン地域ならではの発想であるが、松脂が醸し出す香りはギリシャワインに独特の風味をつけ、ヨーロッパ諸国へと広まっていた。地場品種サバティアーノを用いたレツィーナと呼ばれるワインの始まりである。

現在カナカリス家の歴史受け継ぐのは、ワイナリーの開祖である祖父の名を受け継ぐディミトリスとコスタスの兄弟だ。彼らはブドウの成長を促進する化学化合
物などは使用しない、昔ながらの農法を続けている。国際品種によらない地場セパージュを大事にするカナカリスワイナリーは、急速にその評価をあげている。ここ数年のうちだけでも、スペイン、ドイツ、オーストリア、ポーランド、フランス、ルーマニアといった国々で数多くの賞に輝いていることも、その証といえよう。
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